プライバシーと個人情報保護
匿名加工情報と仮名加工情報
【匿名加工情報】
個人情報保護法2条6項の定義を要約すると、「匿名加工情報」とは、個人情報を匿名化することで、非個人情報として扱えるようにした情報である。
個人情報を匿名化することで非個人情報として扱えるようにしたいというニーズは、ビッグデータへの注目が集まる中で高まってきた。すなわち、膨大な個人情報を加工して匿名化し、得られた非個人情報をビッグデータとして利活用したいというニーズが高まったのである。
【匿名加工情報をめぐる現状と課題】
匿名加工情報は、もし再識別化が可能なら、元の個人情報に復元できる。こうした再識別化の可能性も増していることから、どこまで匿名化すれば非個人情報として扱ってよいのか、基準は曖昧である。
現行の個人情報保護法では、完全な匿名化を追求するのではなく、一定程度の匿名加工と情報の取扱いに関する一定の規律とを組み合わせて、情報の利活用と本人の保護との両立を図ろうとしている。
【仮名加工情報】
個人情報保護法2条5項の定義を要約すると、仮名加工情報とは、個人情報に一定の加工を施し、他の情報と照合しない限り特定個人を識別できないようにした情報である。
仮名加工情報は、個人情報よりも柔軟な規律のもので利用できる。
匿名加工情報が第三者に提供して利活用されることを想定しているのに対し、仮名加工情報は、当該事業者の内部で、マーケティングや研究開発に利用することが想定されている。