用語解説
用語解説 な-ほ
なりすましメール
差出人の名前やメールアドレスを書き換えるなどして、自分以外の人物や企業、団体などからのメッセージであるかのように偽装した悪意による電子メールのこと。受信者に信頼する人物や組織からのメッセージだと信じ込ませることで、秘密の情報を詐取したりフィッシングへ誘導したりする。
軟式アカウント
企業・団体などの公式アカウントでありながら、まるで非公式アカウントであるかのように柔らかく、砕けた表現を用いるアカウントのこと。
ネットいじめ
インターネットを利用したいじめのこと。SNS などで悪口を書いたり、無視したり、仲間はずれにしたり、他の人に見られたくない写真を投稿したりするいじめがある。
実生活でのいじめとネットいじめは、しばしば同時に起こるため、家にいても休日でもいじめられることになり、精神的に追いつめられる。SNSによっては、参加者以外は見られず検索なども難しいことから、いじめがあったことを外部から発見することが難しい場合もある。
ネット依存
一般的には、インターネットに接続しないではいられない状態、インターネットをやめたくてもやめられない状態が日常化していること。インターネットの利用時間が長いほどネット依存を疑われがちだが、必ずしも利用時間が他者より長ければネット依存となるわけではない。国内には、少数ながらネット依存を専門的に扱う医療機関も存在する。ネット依存は海外でも問題視されており、米国精神医学会はオンラインゲームへの依存を「インターネットゲーム障害(Internet Gaming Disorder)」と呼称している。
ネット検閲
ネット上の情報を対象とした政府機関による検閲のこと。ウェブサイトの情報を禁止・削除する、もしくはウェブサイトをブロッキングすることで行われる。(ブロッキングの項も参照)
ネットスラング
掲示板やチャット、SNSなどのコミュニティで生じるインターネット上の俗語のこと。スラングとは、ある階層や集団で用いられる俗語を意味する。個々のネットスラングの語源は、誤変換や省略などによるものが多く見受けられる。時流の変化が激しく、すぐに廃れて使用されなくなるものも少なくない。
ネットワーク中立性
ユーザー、コンテンツ、装置などによって差別あるいは区別することなく、プロバイダや政府がインターネット上のデータを平等に扱うべきだとする考え方のこと。
ハイパーリンク
インターネット上の複数のコンテンツを相互に結びつける参照のこと。単にリンクとも呼ぶ。ハイパーリンクをクリックすると、あるウェブページから別のウェブページへと表示が切り替わる。
バイトテロ
アルバイト従業員が職場内で撮影した動画や入手した情報を、雇用主(企業)に無断でSNS等へ投稿することによって雇用主に社会的損害を生じさせるような事象のこと。アルバイトによるテロ行為を表した造語である。
バナー広告
画像によって表現されるインターネット上の広告のこと。バナー(banner)とは、英語で旗または横断幕の意。あらかじめ決められたサイズの画像にリンクを付け、その画像をクリックすると広告主のウェブサイトへと移動する仕組みとなっている。画像は、動作(アニメーション)を伴うものもある。正方形に近いものをレクタングル広告、縦長のものをスカイスクレイパー広告と呼ぶ場合がある。
番号法
「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」のこと。いわゆるマイナンバーを規定した法律で、手続きの簡素化などにより国民の負担軽減・利便性向上を目的としている。
パブリシティ権
人に備わっている顧客吸引力を中核とする経済的な価値を保護する権利のこと。人格権に根差した権利であり、プライバシー権、肖像権などと同列の権利である。
秘密保持契約(NDA)
Non-Disclosure Agreement。業務などを通して知り得た秘密情報について、決められた用途以外の活用や第三者への開示などを禁止する、情報漏えいなどを防止するための契約のこと。
評価
サービスを利用した者が行う評点やコメントのこと。レビューとも呼ばれ、通信販売サイトや店舗紹介サイトなどで用いられ、そのサイトを閲覧する者への参考(あるいは頼りとなる)情報として利用される。「良い」「普通」「悪い」の3段階、または「非常に良い」「良い」「普通」「悪い」「非常に悪い」の5段階の中から選択する段階式の評価と、自由記述式のコメントによる評価(レビュー)の2種類のいずれか、または両方が用意されていることが多い。フリマアプリやネットオークションでは、売り手と買い手が相互に評価し合うことが前提となっている。
フィッシング
偽のメールやログイン画面などを作成し、アカウント名、パスワード、決済手段情報(クレジットカード情報等)といった経済的な価値のある情報を奪い取ろうとする詐欺行為のこと。phishingと表記されるが、その語源は諸説ある。
フィルターバブル(パーソナライズド検索)
アルゴリズムがインターネット利用者の検索履歴やクリック履歴を分析し学習することで、利用者の観点に合わない情報からは隔離され、自身の考え方や価値観の「バブル(泡=外界から遮断するもの)」の中に孤立するという情報環境を指す。
検索サイトは各ユーザーを識別する仕組み(クッキー、フィンガープリントなど)を用いて、所在地、クリック履歴、検索履歴など、各ユーザーのプライベートな情報を把握し、ユーザーごとに最適化された各ユーザーが見たいだろうと思われる検索結果を返している。
フィルタリング
青少年保護などを目的として、サービスやウェブサイトを一定の基準に基づいて選別し、青少年の利用する機器から閲覧できないようにするシステムやサービスのこと。一般的には一定の条件に基づいてデータを選別・排除する仕組みのこと。
フェイクニュース
偽のニュース。新聞やテレビといったマスメディアとは異なり、誰でも手軽に情報の発信者となれるインターネットでは、信頼性の低い情報が「ニュース」と称して発信されることが少なくないので注意が必要である。また、エコーチェンバーの作用により両極端の意見に分極化しやすいインターネット上では、政敵と対話するのではなく、政敵の主張を「フェイクニュース」と断じて対話を拒絶してしまう者も見受けられる。
不正アクセス
「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」の2条4項に定められた、(1)他人のID・パスワードを用いる、(2)正規の手段を用いずにアクセスする、(3)アクセスする権利の乗っ取りなどの行為を指す。
ブラックリスト
対象を選別して受け入れたり拒絶したりする仕組みの一つで、拒絶する対象を列挙したリストを作成し、そこに掲載されていないものを受け入れる方式のこと。(ホワイトリストの項も参照)
ブロッキング
ネット上において、何らかの条件に基づいて特定の利用者やコンピュータ、ネットワークからの接続や通信を拒否すること、もしくは特定の機能などを封鎖して利用できないようにすること。
プライバシー
私生活上の事柄をみだりに公開されない法的な保障と権利のこと。また情報化社会の進展を背景として、他者が管理する自己の情報の訂正・削除請求、他者の違法な情報取得を排除する権利を意味するようになった(積極的プライバシー権という)。個人情報保護法は、この積極的プライバシー権を保障するものとして施行された。
プライバシーマーク
個人情報の適切な取扱いについて一定の基準を満たしている団体として認定されていることを示すマークのこと。一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)プライバシーマーク運用センターが制度を運営している。
プロジェクトマネジメント
プロジェクトが無事に完了できるようにその遂行を管理すること。プロジェクトマネジメントの国際標準とされる PMBOK(ピンボック)によれば、「プロジェクトの要求事項を満足させるために、知識、スキル、ツールと技法をプロジェクト活動へ適用すること」を意味し、そのプロセスは「立上げ」「計画」「遂行」「コントロール」「集結」の5つに分類される。なお、プロジェクトとは「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期性の業務」とされ、定常業務と対をなす概念といえる。
プロバイダ
インターネットへの接続サービスを提供する通信事業者のこと。インターネットサービスプロバイダ(ISP)とも呼ばれる。プロバイダ(provider)は、英語で「提供者」や「供給者」を意味する。なおDCAのテキストでは、SNSなどソーシャルメディアのサービスを提供する事業者なども含めて「プロバイダ等」と表記している。
プロバイダ責任制限法
「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」のこと。この法律により、ウェブサイトなどに権利侵害情報が掲載された場合に、プロバイダが所定の手続きに基づいてその情報の公開を止めたり削除したりすれば発信者からの損害賠償責任を負わないとされる。
ベルヌ条約
世界の著作権に関する標準的な条約「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」のこと。原条約は、1886年スイスのベルヌで署名され1887年に発効した。日本は 1899年に加入している。著作権保護について無方式主義(著作物が創作された時点で何らの方式も必要とせず著作権の発生を認める法制のこと)を定めるほか、著作者人格権や、著作権の保護期間を著作者の死後50年以上とすることなどを定めている。
ペアレンタルコントロール
子供に悪影響を及ぼす可能性のあるサービスやコンテンツに対して、親が視聴・利用制限をかけること、またそのための装置や機能のこと。
放送
著作権法の公衆送信のうち、公衆(=不特定又は特定多数の人)によって同一の内容が同時に受信されることを目的として行う無線の送信のこと。具体的には、テレビ放送のように電波(無線通信の送信)を使って番組が常に受信者の手元まで届いているような送信形態のものをいう。
ホットライン
ソーシャルメディア等においてインシデントやアクシデントが発生した際の、緊急時の相談窓口やその電話番号のこと。本来は、2か国の首脳が緊急時に連絡を取るために設置された直通の専用回線を意味する。
ホットワード
インターネット上で人々がよく用いる話題性の高いキーワードのこと。AIアシスタントを音声操作する「スマートスピーカー」を起動させるための言葉を指す場合もある。前者はトレンドワード、後者はウェイクワードとも呼ばれる。
ホワイトリスト
対象を選別して受け入れたり拒絶したりする仕組みの一つで、受け入れる対象を列挙したリストを作成し、そこに掲載されているもののみを受け入れる方式のこと。(ブラックリストの項も参照)