《 ソーシャルメディア時代のメディア情報リテラシー 》 ◆偽・誤情報が拡散する背景
§ 「善意」・「正義感」と偽・誤情報
もう1つ、重要な点が偽・誤情報を共有する動機である。偽情報を作る人には「故意犯」「確信犯」「愉快犯」がいると解説したが、共有する人には違う動機もある。
2万人調査で偽・誤情報をシェアした人に理由を聞いて最も多かったのは「興味深いと思ったため」(30%)、次に「重要だと感じたため」(29.2%)であった。つまり、人は悪意からではなく、善意から誤った情報をシェアする。
また、3番目に多かったのは「情報に怒りや不安を感じ、それを表現したかった」であった。例えば、「AさんがBという犯罪をした」という偽情報があったとする。それを見た人が「Aはそんなに悪い人なのか。これは多くの人が知った方が良い」と拡散するような事例である。その人なりの「正義感」で誤った情報を広げてしまうこともある。
