《 リスクマネジメントの規格「JIS Q31000」について 》
◆リスクの定義
JIS(日本産業規格* )のリスクマネジメントの規格「JIS Q31000」** は、2019年1月に改正された。
ただし、その定義の中で、リスクを「目的に対する不確かさの影響」と表現していることについては、旧規格から変わっていない。リスクにはマイナスの影響ばかりではなくプラスの影響のものも含むという考え方も、旧規格と同様である。
なお、現行の「JIS Q31000:2019」では、影響とは「期待されていることからかい離すること」であり、「好ましいもの、好ましくないもの、又はその両方の場合があり得る」とされる。そして、一般に、リスクは「リスク源、起こり得る事象及びそれらの結果並びに起こりやすさ」として表されるとしている。
* 従前の「日本工業規格(JIS)」という呼称が馴染み深いであろうが、JISの基盤となる「工業標準化法」が「産業標準化法」に変わったことに伴い、2019年7月より「日本産業規格(JIS)」に変わった。
** 日本工業標準調査会(2019)「JIS Q31000:2019 リスクマネジメント-指針」(https://kikakurui.com/q/Q31000-2019-01.html)(access:2022年10月20日)