§ プロバイダ等の法的責任

《 個人の権利侵害とプロバイダ責任 》 ◆プロバイダの責任とは

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§ プロバイダ等の法的責任

 

 インターネットが広く普及し、国民生活に不可欠なものとなっている一方で、そこでの違法・有害情報の流通も問題となっている。

 インターネット上で名誉毀損やプライバシー侵害、あるいは著作権侵害など、個人や企業の権利を侵害する情報が発信された場合、被害者は、本来はその情報の発信者の法的責任を追求するのが筋であるとも言えるが、発信者が特定できないとかあるいは単に発信者に資力がないなどの様々な理由から、プロバイダ等にその情報の削除を求めたり、あるいは損害賠償請求を行うなどして法的責任を追求したりする場合がある。

 また、他人の権利を侵害するわけではないが違法、あるいは青少年に有害な情報が発信された場合、プロバイダ等に削除請求がなされる場合がある。さらに、刑法に反する場合にはプロバイダ等の刑事責任が問われる場合もある。いずれも、やはり本来は発信者に対応が求められるはずであるが、プロバイダ等の法的責任が生じる場合もある。

 また、プロバイダ等が情報を媒介する役割を果たしていることに着目して、特別な法的義務が課される場合もある。例えば、青少年インターネット環境整備法は、プロバイダ(インターネット接続役務提供事業者)に加入者から求められた場合にはフィルタリングサービス提供義務を課している(同法17条)。なお、プロバイダの中でも携帯電話会社(携帯電話インターネット接続役務提供事業者)には、青少年確認義務(同法13条)、説明義務(同法14条)、フィルタリングサービス提供義務(同法15条)、フィルタリング有効化措置実施義務(第16条)が課されている。

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