+ 詳説(公式アカウントのソーシャルリスク)

《 ソーシャルメディアのリスク対策 》 ◆高まるソーシャルメディアのリスク § 企業の公式意見を発信するアカウント

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+ 詳説(公式アカウントのソーシャルリスク)

 公式アカウントのソーシャルリスクとしては、運用担当者がうっかりと個人の立場で発言してしまう、外部の反応に即時対応できない、などが考えられる。

 ソーシャルメディアのリテラシーが低い企業がソーシャルアカウントを運用する場合、もっとも安易な選択肢は、外部の専門業者に運用業務を丸ごと委託することである。ところが、業者による発言内容の監視や運用状況の監査といったモニタリングが適切に行われないと、業者が暴走するなどの問題が生じるリスクがある。

出典:長万部町ウェブサイト(http://www.town.oshamambe.lg.jp/modules/towninfo/content0038.html)(access:2015年7月31日)

 その代表的なケースに、北海道長万部町の「まんべくん」の事例がある。長万部町は、地元のゆるキャラまんべくんの公式ソーシャルアカウントの運用を、2010年に地元業者に丸ごと委託したが、町として発言内容の確認やネット上の評判の確認などの運用管理を全く行わなかった。業者が毒舌ツイートを連発するようになり、ネット上でまんべくんアカウントが注目されるようになったが、それに伴い外部からのクレームも増加した。しかし、業者はそれを無視して運用し、さらに意図的に「炎上」を仕掛けて話題を集めることを繰り返すようになった。ところが、町としてはまんべくんアカウントがそのように運用されていることに気づかず放置していたため、業者が暴走し、2011年の終戦記念日に問題発言を連発して大炎上騒動を引き起こした。長万部町は責任を問われ、町長が公式に謝罪して、業者に対しまんべくんアカウントの運用許諾を取り消した。

 それにも関わらず、業者は類似するアカウントを開設して運用を継続するなど、現時点でもこの問題は解決していない。

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