《 ソーシャルメディアのリスク対策 》 ◆高まるソーシャルメディアのリスク
§ 企業の公式意見を発信するアカウント
企業として、自社の組織・製品・サービスについて情報発信する、いわゆる公式アカウントである。従来の企業広報の延長であり、ソーシャルメディアをユーザーとの双方向のコミュニケーション手段というより、一方向の情報提供用メディアとして利用している。
ソーシャルアカウントを運用する担当者の個性が出ないように、極力必要な情報の発信にとどめて運用されていることが多いが、製品やサービスそのものを擬人化してソーシャルアカウントを運用するケースも増えている。前者との相違は、公式アカウントはあくまでも企業としての総合的な情報発信を行うものであるのに対し、擬人化アカウントは、製品やサービスごとのそれぞれの特徴を活かして複数のアカウントを並行運用することも可能である点である。

出典:イカロス君ツィッターアカウント(https://twitter.com/ikaroskun)(access:2015年7月31日)
組織の運用する擬人化アカウントの例に、宇宙航空研究開発機構(JAXA: Japan Aerospace Exploration Agency)がある。JAXAでは、打ち上げた衛星や地上局それぞれに擬人化アカウントを設定して運用しており、それぞれのアカウントは打ち上げの順序や衛星の機能によって、異なる性格が割り振られている。フォロワーも多く、画像投稿サイトでファンのイラストのコンテストが行われ、衛星の擬人アカウントのキャラクターに扮した衣装を着用することが一部で流行するなど、二次創作も活発化している。