《 AIと著作権 》
◆生成AIの生成物の著作物性について
著作権法上、著作物は「思想又は感情を創作的に表現したもの」であって、「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されている。
したがって、AIが自律的に生成したものは、「思想又は感情を創作的に表現したもの」とはいえず、著作物に該当しないと考えられている。
一方、人が「道具」として生成AIを利用した場合は、人の精神的活動の成果として、著作物性が認められる。どのような利用であれば、生成AIを「道具」として利用したことになるのかは、人の「創作的意図」や「創作的寄与」と認められる行為があるか否かを考慮して判断されることになる。
「創作的寄与」の有無は、一律に判断されるものではないが、例えば、プロンプトの入力の分量、生成の試行回数(それに基づく修正を含む)、複数の生成物からの選択などは、「創作的寄与」が認められやすくなる要素であるが、これらの総合的な判断になるため、今後の具体的事例 の積み重ねを待つこととなろう。
なお、生成AIの生成物に、創作的表現といえるような加筆・修正を加えた場合は、その加筆・修正部分は、人間の創作的活動の成果であるので、その部分については著作物性が認められる。