《 デジタルコンテンツアセッサのリスクマネジメント業務 》
◆リスクマネジメントの基礎
リスクという言葉は日常的に聞かれるが、その実、意味や定義を問われると答えられないということはないだろうか。
あらゆる企業組織は、業態や規模に関わらず、自らの目的達成の成否を不確かにする外部要因・内部要因や影響力に直面する。この“不確かさ”が組織の目的に与える影響が「リスク」である。
リスクとリスクを運用管理するリスクマネジメントについては、標準規格であるJISにより定義されている。その定義によれば、リスクは「目的に対する不確かさの影響」であり、影響とは「期待されていることから、好ましい方向または好ましくない方向にかい離すること」とされている。つまりリスクとは、一般に想像されているようなマイナスの影響ばかりでなく、プラスの影響のものも含まれる。また、リスクは「ある事象(周辺状況の変化を含む。)の結果とその発生の起こりやすさとの組合せとして表現」される。つまり、企業組織のあらゆる活動にもリスクが存在することは言うまでもない。企業組織は、どこまで意図して実施しているか否かは別として、リスクを特定・分析して対応し、モニタリングを行って評価するといったさまざまな行動を通して、組織の活動におけるリスクのうちの好ましくない方向のリスクを低めるよう運用管理を行っているケースが多いようである。だが、後述するように、リスクへの対処策としてはその他の管理策もあるので、そういったものも含めて、リスクマネジメントの全体像を理解しておくべきであろう。