《 ソーシャルメディア時代のメディア情報リテラシー 》 ◆フェイクニュースの実態
§ バイアス
前記の2万人調査では、15の偽・誤情報について、その正誤についても質問した。その結果、平均で51.5%の人が「正しいと思う」と答え、「わからない」と答えた人は34%、「誤っていると思う」と答えることができたのはわずか14.5%であった。
15の情報はいずれもその分野に詳しい人であれば、すぐに間違いとわかる内容であった。それでも、半分以上の人が「正しい」と受け止めた。他の類似する調査でも、かなりの数の人が偽・誤情報を正しいと受け取る傾向がある。
「偽・誤情報に騙される人は情報弱者」「自分は大丈夫」などと考える人たちがいる。しかし、実際には、大量の偽・誤情報を目にして、しかも、約半分を「正しい」と受け止めてしまう。バイアスの作用によって、誰もが間違えてしまう可能性があることを受け止めることが、メディア情報リテラシーを学ぶ第一歩となる。
