《 AIに対する社会的関心の高まり 》
◆AI活用の過去と現在
AI(Artificial Intelligence)に対する社会の関心は大きくなっている。デジタル・コンテンツ・アセッサとしても、AIに関する知識を有しておくべきであるし、活用の際の留意点などについても理解しておくべきである。
AIは人工知能と訳される。1956年にアメリカにて開催されたダートマス会議で、計算機科学研究者のジョン・マッカーシーによって初めてAIという言葉が使用されたとされている*1。この会議では、政治学者や経営学者として知られるハーバート・サイモンと認知心理学者として知られるアレン・ニューウェルが、世界初のAIプログラムとも呼ばれる「ロジック・セオリスト」のデモンストレーションを行った*2。「ロジック・セオリスト」は、この会議で示された、動作するAIプログラムの唯一の具体例であった*3。その後、AI研究は期待と失望を繰り返すこととなるが*4、1950年代後半~1960年代の第一次人工知能ブーム、1980年代の第二次人工知能ブームを経て、2000年代から現在まで続く第三次人工知能ブームに至っている*5。
生成AI(Generative Artificial Intelligence)の登場は、AIに対する社会的関心を大きく高めている。生成AIは、まるで人が作り出したかのような文章や画像などを生み出すというのが特徴的であるといわれる*6。自然言語処理(Natural Language Processing)は生成AIの代表的な技術であり、その中でも世界的に大きな反響を呼んだのがアメリカのOpenAI社の「ChatGPT」で、対話をするように利用できることで注目を集めた*7。
*1 総務省(2019)『令和元年版 情報通信白書』総務省、p82.(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/pdf/n1300000.pdf)
*2 松尾豊(2015)『人工知能は人間を超えるか』KADOKAWA、p64.
*3 人工知能学会編(2017)『人工知能学大事典』共立出版、p3.
*4 総務省(2019)前掲書、p82.(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/pdf/n1300000.pdf)
*5 総務省(2016)『平成28年版 情報通信白書』総務省、p5.(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/pdf/28honpen.pdf)
*6 野村総合研究所『AIナビゲーター2024年版』東洋経済新報社、p10.
*7 上掲書、p30-43.