《 iコンプライアンスの運用管理・体制整備の実務 》 ◆標準的な業務管理手法に則ったiコンプライアンスプログラムの実施 § 標準的な業務管理手法(PDCAサイクル)に則ったiCPの運用例
+ 詳説(標準的な業務管理手法(PDCAサイクル)に則ってiCPを運用するとは)
ここでは、上記の例を用いて、標準的な業務管理手法(PDCAサイクル)に則ってiCPを運用するとはどういうことかについて説明する。まず、iCPの運用は、DCAによるC(評価)からはじまる。
- 1.DCAの調査により、成年向けの内容が一般ユーザーから閲覧可能になっていることが判明した(C:評価。問題点の洗い出し)。
- 2.サービスの中止を含めて複数の改善案が提案された(A:改善。問題点を明確にして改善案を経営者に報告)。
- 3.改善案の報告を受けた経営者は、その提案の中から、サービスを継続しつつ、すぐに対処可能な簡易ゾーニングの案を採用した(P:計画。経営者による改善計画の決定)。
- 4.担当部署が経営者の指示を実行した(D:実行。経営者が決定した改善案の実行)。
この例に見られるように、実務では、経営者の現状認識と現場での実際のサービス内容との間にかい離が見られることは珍しいことではない。これは従来から存在する伝統的なメディアとは異なり、インターネットはサービス開始後にコンテンツの内容を変更することが容易であること、経営者に自社の提供しているサービスの内容が日々変化していることにもかかわらず、サービス開始時点などの過去の一点の状態に問題がなければその後も問題がないだろうという思込みがあること、そして内部監査が有効に機能していないことに原因がある。
DCAの役割は、インターネットの特徴を踏まえた上で、経営者の思込みを排除し、有効な監査手順(iCP)を継続的に実施し続けることにある。