§ 帰無仮説と対立仮説

《 データサイエンス基礎 》 ◆検定と有意水準

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§ 帰無仮説と対立仮説

 帰無仮説は、仮説検定において最初に設定する仮説で、一般的には「差がない」や「効果がない」といった否定的な内容にする。

・例:新しい薬と従来の薬に効果の差はない。
対立仮説は、帰無仮説と反対の主張をする仮説である。つまり、本来証明したい仮説のことである。なお、ある主張が否定されたら、その主張と逆の主張は肯定されたことになる。

・例:帰無仮説「新しい薬は従来の薬よりも効果はない」が否定されたら、「新しい薬は従来の薬よりも効果がある」が証明されたことになる。
仮説検定では、本来主張したい仮説を否定する帰無仮説を立て、その帰無仮説の誤りを統計的に証明することで、本来の仮説の正しさを証明する、というやり方をする* 。

* なぜこのような遠回りの間接的な方法をとるのかというと、肯定的な仮説を直接証明することが(母集団全体を調査する必要があるなど)難しい場合であっても、帰無仮説を否定することならば容易にできて、間接的に本来の仮説が正しいと証明できるためである。

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