《 ソーシャルメディア時代のメディア情報リテラシー 》 ◆誤りを事実と受け止める理由 §ミュラーリヤーの錯視
+ 詳説(ミュラーリヤーの錯視)
多くの人は、問題を見た瞬間にこう頭に浮かんだはずである。「知ってるよ。上の方が長く見えるけれど、それは錯覚で実際には同じ長さなんでしょう」と。
実は、これは、ひっかけ問題である。
わざと上の線を短く書いているのである。つまり、答えは「上が短い」である。でも、多くの人は「同じ長さだ」と直感的に考えてしまったことであろう。
これが認知バイアスで、「自分自身の経験などに基づいて無意識のうちに非合理な考えをしてしまうこと」を指す。ミュラーリヤーの錯視を見たことがあったから、定規で測りもせずに非合理的に「同じに違いない」と考えてしまうのである。
すべての人間には認知バイアスがあるということを理解したうえで、認知バイアスが偽・誤情報を見た際にどのように作用しているかを引き続き解説していきたい。