《 ソーシャルメディア時代のメディア情報リテラシー 》 ◆偽・誤情報が拡散する背景
§ アルゴリズムによる大量拡散
偽情報は誰かが作るだけでは影響力を持たない。問題はそれがフェイスブックやXやYoutubeやTikTokなどの「プラットフォーム」を通じて、瞬時に大量に拡散することである。
YouTubeだけでも世界中で1分間に500時間を超える動画がアップロードされている。個人が網羅的に情報を収集することが絶対に不可能な情報氾濫の時代において、必要不可欠な機能となっているのが、各プラットフォームの「アルゴリズム」である。
日本語に直訳すると「計算手順」となり、プラットフォームに大量に投稿された情報のうち、各ユーザーの好みに合うものを、ユーザーのデータや過去の視聴履歴などから自動的に選び出す機能のことを意味する。

「確証バイアス」は昔から人間に備わっているものだが、インターネットとソーシャルメディアが発展し、偽・誤情報を瞬時に大量に人々に届けるようになった。
1923年の関東大震災では「朝鮮人が暴動を起こしている」などのデマが拡散したために、虐殺事件が発生した。現代であれば、100年前とは比較にならないスピードでデマが拡散する。だからこそ、注意と対策がこれまで以上に重要になっている。