《 有害情報コントロールの実務 》 ◆表現型コンテンツの具体的な対策
§ 閲覧防止措置の具体策その3(健全性の検証、モニタリング、コントロール)
次にiCPに基づいて、定期的なセルフレイティングを行い、常に健全性を検証し続ける必要がある。レイティングとは、インターネットコンテンツに含まれる有害情報を一定の基準に基づいて段階的に格付けをすることである。レイティングにより、情報発信者はその情報をふさわしい対象者に向けて情報を発信することが可能になり、情報利用者は適切な情報を選別することができるようになる。セルフレイティングとは、情報発信者が自らのコンテンツに対してレイティングするシステムである。I-ROIの推奨するセルフレイティングについては、第12章で説明する。
セルフレイティングの一環として、自社の管理するサイトに有害情報に該当すると考えられる情報がないかをモニタリング(監視)する。どの程度の強度でモニタリングを実施するかについては、特定サーバー管理者それぞれのiCPによって計画的に行う。
実務では、自社でモニタリング体制を構築して実行している場合と、モニタリング事業者に業務委託する場合とがある。日本には、モニタリングサービスを提供する事業者が多数存在しており、各事業者は日々の業務を通じてモニタリング体制やモニタリングツールの改良を図り、ノウハウを積み重ねている。SNSなど大規模なコミュニティサイトでは、1日に何百万件もある書き込みすべてを目視で確認することは不可能なので、有害と考えられるワードを自動検索システムで絞り込み、絞り込まれた内容を目視で確認する手法が一般的である。