§ 権利が侵害された場合の効果

《 インターネットでのコンテンツ利用の注意 》 ◆著作権とは

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§ 権利が侵害された場合の効果

 著作者人格権は、著作者の人格的利益を保護するために、人格的利益を害するような形態での利用を排除することを内容とするものである。また、著作権・著作隣接権は、権利者による独占を内容とするものである。したがって、このような権利を侵害された場合、侵害者に対して、そのような行為を行わないよう求めることができる。これを差止請求といい、権利者は、その権利が侵害され、または侵害される虞がある場合、そのような行為を行わないよう求めることができ、このような請求を差止請求という(著112条)。

 著作権等の権利の本質が独占権であり、差止にあたっては、侵害者の主観的要件は必要とされず、客観的に著作権侵害の状態またはその虞が生じていればよい。つまり、行為者が、著作権等の侵害につき無過失であっても、差止が認められることになる。

また、差止請求は、現在または将来の著作権侵害を防ぐための手段であるが、既になされた著作権侵害に対しては、不法行為(民709条)に基づき損害賠償請求が可能である。これは、過去に行われた著作権等の侵害行為につき、これらが行われたことによる損害を金銭による賠償を求めることができる権利である。不法行為による損害賠償は、行為者による故意または過失が必要とされているため、損害賠償を請求するためには、侵害者に故意または過失が存在したことを主張・立証しなければならない。また、損害賠償請求の場合、原則は、損害額を請求者の側が立証しなければならないが、著作権法の場合、損害の推定規定が置かれている(著114条)。

 上記はいずれも民事上の効果であるが、著作権法には刑事罰も規定されており、著作権・著作隣接権を侵害した場合は、10年以下の懲役、及び/又は1000万円以下の罰金が科され(著119条1項)、著作者人格権を侵害した場合は、5年以下の懲役及び/又は500万円以下の罰金が科されることとされている(同条2項)。

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