§ 発信者情報開示の手続

《 個人の権利侵害とプロバイダ責任 》 ◆発信者情報開示

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§ 発信者情報開示の手続

 

 以上が、発信者開示請求の概要であるが、次に、それを実現するための手続について述べる。まず、匿名掲示板等に権利侵害情報が書き込まれた場合、実際には開示請求を2段階(あるいは3段階以上)で行わなければならないことが多い。つまり、まずは掲示板管理者にIPアドレスとタイムスタンプの開示請求を行い、その後、この情報を基にISPに開示請求を行い、その後、この情報を基にISPに開示請求を行い、発信者の住所、氏名等の開示を受ける必要がある。

 従来は、これらの多段階の手続を別々の裁判手続によって行う必要があったが、2021年のプロバイダ責任制限法改正によって、これらを1回の、しかも簡易な裁判手続(非訟手続)によって行うことができるようになった。

出典:総務省(2021)「プロバイダ責任制限法の一部を改正する法律案(概要)」を元に筆者作成

 また、発信者情報開示請求は、プロバイダ等がアクセスログを保存していない場合には空振りに終わる。日本ではアクセスログの法的な保存義務が存在せず、プロバイダ等が業務上必要な期間保存しているだけである。そのため、早期に開示を受けるためには、仮処分の申請を行う必要があった。これについても2021年改正により、上記の非訟手続の中で裁判所が消去禁止命令を発することができるようになった。

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