有害情報コントロールの仕組み

有害情報のコントロール

有害情報コントロールの仕組み

【有害情報コントロールの意義】

インターネットのユーザーは、コンテンツにアクセスする前にそのコンテンツが有害であるか否かを事前判断することは難しい。

そのため、特定サーバー管理者は、有害情報を見たくないユーザーのために有害情報のコントロールの仕組みを提供することがのぞましい。

【有害情報のコントロールの仕組み】

有害情報のコントロールの仕組みとしては、以下のものが挙げられる。

・ブロッキング

・フィルタリング

・ラベリング

・レイティング

・ゾーニング

【ブロッキングについて】

ブロッキングとは、特定のIPアドレスのインターネットサービスに接続できないように、インターネット接続事業者(ISP)のレベルでブロックすること。

コントロールは、ISPが行う。

一部の国では国家レベルで採用されている。

【フィルタリングについて】

フィルタリングとは、対象コンテンツを一定の基準で評価し、条件に合致するコンテンツを選択的に排除すること。
コントロールは、ISPが行う。

ブラックリスト方式とホワイトリスト方式とがあり、ホワイトリスト方式のほうが強力である。
・ブラックリスト方式は、有害と判断されたサービスをリスト化してアクセスを制限する
・ホワイトリスト方式は、安全と判断されたサービスをリスト化してアクセスさせる

※ブラックリスト方式で注意すべきは、規制がなされるのがドメイン単位であり、個々のコンテンツ単位ではないという点である。例えば、書き込み型や参加型で不適切な発言が多く発信されると、そのサービスそのものがブラックリストの対象となる。

【ラベリングについて】

ラベリングとは、対象コンテンツに有害表現が含まれるか否かを判断すること。

コントロールは、コンテンツプロバイダ(出版社等)が行う。

有害成分の有無のみを判断するので、後述のレイティングと比べ、評価者の主観が入り込む余地を小さくすることができる。その反面、例えば「育児のため授乳する母親」の写真がヌードと判定されるといったような、一般的な常識では違和感を伴う判定が行われることがあり得る。

※広義の「レイティング」には、このラベリングも含まれる。

【レイティングについて】

(狭義の)レイティングとは、対象コンテンツにどのような有害情報が含まれているか一定の基準に基づいて段階的な評価を行うこと。

コントロールは、コンテンツプロバイダ(出版社等)が行う。

なお、広義のレイティングは、対象コンテンツの有害情報を一定の基準に基づいて評価を行うことを意味し、前述のラベリングも含まれる。

レイティングの手法として、最も馴染み深いのは「年齢レイティング」である。年齢レイティングでは、一定の年齢に達していない者にはコンテンツを提供しないようにするという形で有害情報をコントロールする。

【ゾーニングについて】

ゾーニングとは、特別な区画(ゾーン)を設け、特定の者以外の入場や購入を制限すること。

日常生活で馴染み深いゾーニングとしては、成人向けレンタルビデオを店舗内の限られたエリアに陳列するといったことが例に挙げられる。インターネットでは、成人向けコンテンツだけでなく、明確に子供向けと分かるコンテンツや、会員しかログインできない会員限定サービスなどもゾーニングされたコンテンツと考えることができる。

ゾーニングの場合、ユーザーがコントロールの有無を明確に判別しやすい。