iコンプライアンスプログラム

iコンプライアンス

iコンプライアンスプログラム

【iコンプライアンス】

「iコンプライアンス」とは、当機構(I-ROI)が提唱するものであり、コンプライアンス(法令遵守、社会的責任)の概念をインターネットの世界に拡張した考えである。

インターネットコンテンツ提供者(特にコンテンツ制作者と通信事業者)には、コンテンツの健全性を保証するために、既存の法令、規則の遵守のみならず、社会通念、規範意識、倫理、文化などを尊重した良識ある行動が求められる。インターネットコンテンツ提供者によるインターネットに対応したコンプライアンスを構築することをiコンプライアンスという。

【iコンプライアンスプログラム(iCP)】

組織の中でiコンプライアンスを具体的に実施する仕組みが、iコンプライアンスプログラム(iCP)である。

iコンプライアンスは単なる法令遵守のみを対象にしたものではないものの、その第一歩として、法令遵守の状態が維持されるようにiコンプライアンスプログラムを運用すべきであることは言うまでもない。

インターネットに関連する各種の法令は様々な規定を設けているが、具体的に法令遵守の状態を企業組織がどのように維持すべきかについてまで規定を設けているわけではない。例えば、青少年インターネット環境整備法は閲覧防止措置等を規定しているが、どのような対策を導入すれば良いかまでは具体的に示していない。

そこで、実効性のあるiコンプライアンスプログラムを実施するためには、デジタルコンテンツアセッサがiコンプライアンスを実施する仕組みを具体化していく必要がある。

【法令遵守の例】

デジタルコンテンツアセッサが法令遵守にあたって留意すべき法令については、様々なものがある。特に重要なものは、刑法(名誉毀損、侮辱、業務妨害)、著作権法、プロバイダ責任制限法、個人情報保護法、不正アクセス禁止法、青少年インターネット環境整備法などであり、これらについては本教材でたびたび言及してきた。また、判例で認められた権利の中で、デジタルコンテンツの受発信にあたって留意しなければならないものとして、肖像権があることにも触れた。

本教材の他の場所で触れていない法令で、デジタルコンテンツアセッサが法令遵守にあたって留意すべき例として、特定電子メール送信適正化法を取り上げる。

【法令遵守の例:特定電子メール送信適正化法】

特定電子メール送信適正化法は、正式名称を「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」という。

同法の「電気通信事業者による情報の提供及び技術の開発等」の規定に従うと、同法でいう「特定電子メール等」(いわゆる迷惑メール)の送信は、電子メールの送受信上に支障をきたすおそれがあるので、これを防止するために必要な情報を提供することが求められる。

同法の「特定電子メール等」に含まれるもの

・自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信をする電子メール

・架空電子メールアドレスをその宛て先とする電子メール

・送信者情報を偽った電子メール