《 インターネット上の個人情報保護 》 ◆個人情報保護法の概要
§ 匿名加工情報・仮名加工情報
匿名加工情報は2015年改正で導入された概念である。今日では、膨大な個人情報を加工して匿名化し、そうして得られた非個人情報をビッグデータとして自由に利活用したいという企業等のニーズが強くなっている。しかし、再識別化の可能性も増していることから、どこまで匿名化すれば非個人情報として扱ってよいのか、基準は曖昧である。そこで、2015年法改正では、完全な匿名化を追求するのではなく、一定程度の匿名加工と情報の取扱いに関する一定の規律(復元禁止など)とを組み合わせて情報の利活用と本人の保護との両立を図ろうとしている(43条~46条)。

出典:個人情報保護委員会「個人情報保護法の基本」(2023年)36頁(https://www.soumu.go.jp/main_content/000836901.pdf)
他方、仮名加工情報は、2020年改正で導入された。匿名加工情報が第三者に提供されて利活用されることが想定されているのに対し、仮名加工情報は、加工の程度が低く、第三者提供が原則として禁止されるため、内部で、利用目的を柔軟に変更して分析等に利用できるものである(41、42条)。