《 AIとビジネス》 ◆AIのビジネスへの活用 § AI事業者ガイドライン

+ 詳説（リスクベースアプローチ）

　リスクベースアプローチとは、AI技術の利用におけるリスクの大きさに応じて、対策を講じる考え方である。このアプローチでは、すべてのAIシステムが同じレベルのリスクを伴うわけではないことを前提に、システムが引き起こすリスクの大きさに応じて対応の強度を調整する。リスクが大きい場合は、厳格な規制や監視体制が求められ、リスクが小さい場合は、規制を軽減することが可能となる。

　例えば、AIが人間の生命や財産に関わる分野（医療、金融など）では、より厳格な検証や説明責任が求められる。一方で、リスクが比較的小さいエンターテインメント分野などでは、柔軟な対応が許されることが多い。これにより、過剰な規制によるイノベーションの阻害を防ぎつつ、リスクの高い分野での適切な管理を実現する。

　このアプローチは、AI事業者ガイドラインにおいても推奨されており、事業者はそれぞれのAIシステムの利用シナリオに基づいてリスクを評価し、適切な対応を行うことが求められている。