《 AIとビジネス》 ◆AIビジネスにおける倫理と法的課題

§ AIにおける公平性と差別問題

　AIアルゴリズムの設計や運用において、バイアスが存在することがたびたび問題視されている。特に、人種、性別、年齢などに基づく不公平な扱いや差別が、無意識のうちにアルゴリズムに組み込まれることがある。この問題は、AIが利用するデータセットに偏りが含まれている場合に発生しやすい。

　例えば、採用プロセスやクレジット審査など、個人の評価に関わる分野でのAIの活用において、不適切なバイアスが含まれていると、公平性が損なわれる可能性がある。これを防ぐためには、アルゴリズムの透明性を確保し、データセットの多様性を検証することが求められている。また、AIシステムが出す結論に対する説明責任を持つXAI（説明可能AI）の導入が、こうした課題を軽減する手段となる。