《 デジタルコンテンツアセッサのリスクマネジメント業務 》 ◆リスクマネジメントの標準規格
+ 詳説(リスクマネジメントの標準規格)
JISに則ったリスクマネジメントを実践することで、企業組織は以下のようなメリットが得られることが期待される。
- 1.目的達成の起こりやすさを増加させる。
- 2.事前管理を促す。
- 3.企業組織全体でリスクを特定し、対応する必要性を認識する。
- 4.機会および脅威の特定を改善する。
- 5.関連する法律および規制の要求事項並びに国際的な規範を遵守する。
- 6.義務的および自主的報告を改善する。
- 7.統治(ガバナンス)を改善する。
- 8.ステークホルダーの信頼および信用を改善する。
- 9.意思決定および計画のための信頼できる基盤を確定する。
- 10.管理策を改善する。
- 11.リスク対応のために資源を効果的に割り当てて使用する。
- 12.業務の有効性および効率を改善する。
- 13.環境保護とともに健康および安全のパフォーマンスを高める。
- 14.損失の予防およびインシデントマネジメントを改善する。
- 15.損失を最小化する。
- 16.企業組織的学習を改善する。
- 17.企業組織の適応力を改善する。
この中で、DCAにとって重要な項目を指摘する。
ソーシャルメディアの普及により、企業組織に対する悪評が短時間でユーザーに拡散し、その影響が取引先にも及ぶという炎上(フレーミング)のケースが増加しているが、これに有効に対抗するには、8. ステークホルダーの信頼・信用の改善を最優先事項として炎上に対抗するために、14. 損失の予防とインシデントマネジメントの改善を実施するということが重要であることが導かれる。
ただし、JISに則ったリスクマネジメントを実施すれば自動的にそうしたリスクの問題が解決できるというわけでなく、あくまで企業組織としてリスクに向きあうための原則を示したもので、そこから企業組織の状況に応じて管理策を具体化しなければならないことはいうまでもない。