《 ソーシャルメディア時代のメディア情報リテラシー 》 ◆クリティカルシンキングによる吟味
§ 生活の中のクリティカルシンキング
では、次にクリティカルシンキングについて具体的に説明する。朝、学校に行く際の母親と子供の会話を想像してみてほしい。
雲が出ていたので、母親が子供に「雲が出ていて雨が降りそうだから傘を持っていきなさい」と言った。子供は傘が邪魔だけど持って行った。しかし、雨が降らなかったとする。子供が帰ってきて「お母さんの嘘つき」と言った。傘を持っていくのはめんどくさいし、子供がそう言いたくなる気持ちはわかる。
しかし、母親は嘘つきだろうか。朝の段階で雲が出ていたのは事実である。「雨が降りそうだから傘を持っていきなさい」という部分は母親の推測・意見であり、ファクトチェックで正誤判定する対象ではない。
「お母さんの嘘つき」という前に、クリティカルシンキングを働かせていたらどうなるだろうか。雲が出ていたのは事実。母親が心配して雨が降りそうと推測するのも仕方がないよね、と思える。そうすると「嘘つき」ではなくて「お母さんの天気予報、外れたね」と言えるかもしれない。
これが、生活の中のクリティカルシンキングである。総合的にものごとをとらえて判断する。様々な情報と接し、人とコミュニケーションをとる際に、あらゆる局面で役立つ。